こんにちは!
言語聴覚士(ST)のきしむらです。
私の勤務先の病院では
外来で吃音の臨床をしています。
もともと、
吃音は受け付けていませんでしたが、
数年前に私が立ち上げました。
今回は、
私が吃音外来を始めた経緯について
お話しします。
私は
自分で吃音をやりたくて
STになりましたが、
そのようなSTは
ごく少数派です。
大抵のSTは、
吃音を敬遠します。
理由は様々でしょうが、
吃音=よくわからない
という印象を
現場のSTは感じています。
よくわからない吃音は
自分以外の誰かに任せて、
もっとニーズの多い臨床をしよう。
そのような風潮により、
吃音を診る専門家は非常に少なく、
相談窓口もごく僅かです。
吃音で悩む方は、
僅かな相談窓口を求めて、
殺到します。
東京の有名病院で
1時間の訓練を受けるために、
北海道や四国から、
何時間もかけて通う方もいます。
「とにかく窓口を増やそう」
私はそのように考えていました。
「吃音がやりたい!」
と思っていても、
待っているだけでは実現しません。
まずは、
職場の先輩や同業者達に
「自分は吃音がやりたい」
と常日頃から言っていました。
意思表示を続ける事で、
どんな縁でも
呼び寄せようと考えました。
同時に、
いつでも吃音ができるように、
ありとあらゆる講習会に参加しました。
スキルを身に着けるだけでなく、
吃音に関する人脈を作る事も
目的でした。
そうこうするうちに、
ある講習会後の宴会の席で、
「利用者を紹介するから吃音をやってみないか?」
という声をかけて頂けました。
願ったり叶ったりです!
言魂が通じた瞬間でした。
利用者の斡旋をしてもらえる
という事実は、
病院と交渉する上で
大変有利でした。
ほぼトントン拍子に話が進み、
具体的な、
外来マニュアルの策定に
着手しました。
もちろん、
全く障害が無かった訳ではありません。
思わぬところから
ストップをかけられもしました。
ですが、
病院組織というものは、
身内の意見には厳しくとも、
他所の専門家の意見には
素直なようです。
紹介先のSTの意向を伝えると、
すんなりOKがでました。
もちろん、
私が事前に
紹介先のSTと
水面下で交渉していましたが。
ともあれ、
吃音外来の立ち上げは、
ほぼ3ヶ月程で実現しました。
念願叶って、
今に至る訳です。
いかがでしたでしょうか?
吃音外来の立ち上げで、
私が学んだ事は、
意思表示の大切さです。
私が
やりたい事を実現する為に
直接的にやった事は、
やりたい事を
「やりたい」
と言い続けた
だけです。
あとは、
縁が向こうから
やって来ました。
やりたい事を実現する秘訣は、
「やりたい」という
意思表示を内外で言い続け、
毎日の仕事に一生懸命取り組む。
コレだと思います。